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キルギス、人道危機 略奪・放火、難民10万人に迫る

キルギス、人道危機 略奪・放火、難民10万人に迫る
6月16日7時56分配信 産経新聞

 【モスクワ=遠藤良介】中央アジア・キルギス南部で続くキルギス系住民と少数派ウズベク系住民の民族衝突は15日、隣国ウズベキスタンへの難民が10万人に達する勢いとなっている。同日までの死者は171人、負傷者は約1700人にのぼった。騒乱そのものは収束傾向に入ったとみられるものの、難民の増加や食糧不足など人道的危機の様相が深まっている。

 中央アジアの通信社フェルガナ・ルーによると、ウズベキスタンには成人だけで4万5千人の難民が流入し、国境近くのテント村などに収容されている。ウズベク側は同日、「さらに難民を収容する余地がない」(アリポフ副首相)として国境を閉鎖し、国際機関の支援を求めた。キルギスに派遣された国連のエンチャ特別代表は「難民数が近く10万人を超える可能性がある」と指摘している。

 キルギスでは10日夜以降、南部のオシとジャララバードで、キルギス系とウズベク系の衝突が銃撃戦や放火、略奪など騒乱状態に発展。国内で14%、南部の両都市で半数近くを占めるウズベク系の居住区が無差別的な攻撃を受けているとの情報が多い。

 オトゥンバエワ暫定大統領は15日、「衝突は減少傾向にあり、これが続くことを望む」とする一方、実際の死傷者が公表されている数の数倍にのぼる可能性があると述べた。また、警察機能が不十分だとし、ロシアに平和維持要員の派遣を改めて要請したことを明らかにした。

 南部では商店や公共施設、病院も放火、略奪されており、食糧や水、医薬品の不足が伝えられる。赤十字国際委員会は「8万人が自宅を追われた」とし、880万ドル(約8億円)の財政支援を訴えている。

 ソ連時代の1920~30年代に行われた国境画定を受け、キルギス南部ではウズベキスタンとの国境が複雑に入り組んでいる。90年にはキルギス系とウズベク系の土地利用をめぐる衝突で数百人が死亡し、ソ連の治安部隊が介入した。

 ウズベキスタンは天然ガス、キルギスは水が豊富で、ソ連崩壊後の両国間にはこれら資源をめぐる緊張関係がある。露メディアでは、今回の騒乱が民族紛争の拡大や両国の対立激化につながることへの警戒も強まっている。

 ロシアなど旧ソ連7カ国の集団安全保障条約機構(CSTO)はキルギスに車両や警察装備品、燃料を提供することは決めたものの、平和維持部隊の派遣には慎重姿勢を見せている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100616-00000066-san-int

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