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【外信コラム】赤の広場で 山に向かう若者
【外信コラム】赤の広場で 山に向かう若者
4月8日7時56分配信 産経新聞
「若者が山に向かうのが大きな問題だ。公式には誘拐はないことになっているが、それも事実と違う」
わずか10分ばかりの面談で、彼女は声をふり絞るように訴えた。2008年末、外国人記者団に加わってロシア南部・チェチェン共和国の首都グロズヌイを訪れたときに会った、女性人権活動家のナタリア・エステミロワさんだ。
チェチェンにはプーチン首相と太いパイプをもつ親露派大統領が君臨し、滞在中は常に役人が監視役として目を光らせていた。ようやく彼女と会えたと思ったら、「もう終わりだ。別の予定があるんだ」と力ずくで面談をさえぎった。
モスクワの地下鉄で3月29日、連続爆破テロが起き、チェチェンを含む北カフカス地方のイスラム過激派の関与説が強まったとき、彼女の言葉を思いだした。「山に向かう」とは、失跡し過激派に加わった可能性のある者たちをさす。
エステミロワさんは第2次チェチェン紛争発生後、住民が犠牲になった殺人や誘拐、拷問などの事例を現地で調査し、共和国政府や治安機関が関与していると告発し続けてきた。そして、昨年7月に何者かの凶弾に倒れた。プーチン前政権のチェチェン政策を批判し続けて射殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんとも協力関係にあった。
いつになれば政権と武装勢力の「負の連鎖」は終わるのだろう。それを考えると、とても暗い気分になる。(佐藤貴生)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100408-00000033-san-int

