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サバイバルの緊張感をたっぷり楽しめる! 『メトロ2033』インプレッション
サバイバルの緊張感をたっぷり楽しめる! 『メトロ2033』インプレッション
5月13日19時57分配信 ファミ通.com
●ウクライナ発のサバイバルアクション、ついに発売!
スパイクより2010年5月13日に発売に発売されたサバイバルアクションシューター『メトロ2033』。開発を手がける4A Gamesは、ウクライナの開発メーカー。本作が処女作ではあるが、筆者、喫茶坂東は以前行われたプレス向け体験会(記事はこちら)で、その映像クオリティーの高さに驚いた。それもそのはず、じつは4A Gamesは、PCゲーム『S.T.A.L.K.E.R.(ストーカー)』シリーズを手がけたプログラマーが中心となって立ち上げた会社だったのだ。
そんな理由で期待が高まる中、スパイクさんよりROMをお借りできたので、さっそくプレイしてみた。
●核戦争後のロシアで待ち受けるものとは?
まずはゲームの概要から解説していこう。本作のジャンルはサバイバルアクションシューター、基本的なゲームシステムは一人称視点シューティングと思って差し支えない。一般的なシューティングゲームは対戦モードが搭載されていることが多いが、本作は男らしくシングルキャンペーンのみ。そのため、シナリオや少ない物資をやりくりして戦う"サバイバル感"に注力されている。
ちなみに原作は、2005年にロシアで発売され、40万部の大ヒットとなったドミトリー・グルホフスキー氏の小説。この小説は日本でも2010年中に発売される予定なので、本作のファンはそちらもチェックするといいだろう。
本作の舞台は、核戦争後のロシア。人々は、核戦争によって死の世界となった地表を捨て、かつての地下鉄の駅に集まり、生き延びてきた。主人公は、そんな世界で生まれ育った青年アルチョム。ある日、養父の友人であるハンターがアルチョムを訪ねてきたことから、アルチョムは大きな運命へと飲み込まれていく。
この世界では、核戦争後に不気味なミュータントたちが発生し、人類を襲っていた。ハンターは、さらに進化した"ダークワン"というミュータントが発生していることを伝えたあと、偵察のために地上へと赴く。「俺が朝までに戻らなかったら、ポリス駅でミラーという男を捜せ」という言葉を残して。
結果的に遺言となってしまったハンターの言葉を胸に、アルチョムは彼との約束を果たすため、ポリス駅への旅立ちを決意するのだ。
●立ちふさがるのは魔物だけではない! 人類に超常現象も
というわけで、当面の目的はポリス駅を目指すことだ。アルチョムはキャラバンの護衛に志願したり、怪しい男から助けを依頼されたりしながら、少しずつではあるがポリス駅へと近づいていく。
これらの冒険中に敵として登場するのは、前述のミュータントだけではない。冒険者を襲う野党や、自由の街を監視する共産主義者など、志が異なる人類もアルチョムの敵として行く手を阻むのだ。
新しい街に到着したとき、それがRPGならばホッとする瞬間だろう。だが本作では、前述の通り人間だからといって簡単に信用することはできない。つねに緊張感を味わいながらの冒険が展開されるのだ。加えて、レールカーで移動中に魔物から襲われたり、共産主義者に捕まったり、敵の目を盗みながらそこから脱出したりと、さまざまなイベントが絶えず発生するため、中だるみしない。先が気になる展開のため、ついついプレイを続けてしまうのは、原作が小説だからかもしれない。
筆者が気に入ったのは、じつはホラー要素が含まれていること。冒険中、急にめまいを感じて謎の幻覚を見たり、霊と思われる真っ黒な人型の何かが現れたり、"アノマリー"という光りながら移動する不思議な物体が登場したりするのだ。彼らはなぜ存在しているのか、何を求めているのか。そういった不気味さが、アルチョムの冒険に恐怖を加えるスパイスとして役立っている。
●限られた物資をやりくりするサバイバル感が楽しい!
この世界には物資が非常に少ない。そのため、通常のシューティングではさほど気にする必要はない弾薬が重要になってくる。弾薬がないと銃が撃てず、魔物を倒すことができないからだ(ナイフで攻撃するというきびしい選択肢もあるけれど)。
そのため、冒険しながら弾薬を探すことが大切になる。地下鉄の通路や地上には、何かしらの戦いで倒された人間の死体が放置されていることが多い。彼らは武器を持っていることが多いため、その死体から弾薬や銃を拝借してしまうのだ。ちなみに、この世界には核戦争以前に作られた弾薬が存在し、それが通貨として利用されている。もちろん弾薬として使うことも可能で、一般的な弾薬よりも強力な設定となっている。
通常のゲームでは、死体は恐怖を演出するために存在しているし、本作でも筆者は最初そう感じた。だがゲームに慣れてくるに従って、死体を見つけると「弾薬がある、ラッキー!」とつい喜んでしまう。この自分の心境の変化に、我ながら現金だなあ、と少し笑ってしまった。
集めた通貨(弾薬)を使い、都市のマーケットで新たな銃や弾薬を買うことが可能だ。どのタイプの銃を買うか、それとも弾薬を補給しておくか。ショッピングは悩ましいが、同時に楽しい瞬間でもある。
また、地上世界は空気が汚染されているため、そこで活動するにはガスマスクが必須となる。ガスマスクには有効時間が設定されているため、このような危険な場所では迅速に行動する必要があり、緊張感を増大させることに一役買っている。素早く地下を目指すか、それともちょっとがんばって探索を密に行うか、そのような戦略性も楽しめるというわけだ。
アルチョムが使うライトやナイトビジョンゴーグルは、電気で作動する。このバッテリーは有限で、残りが少なくなると、携帯型の万能充電器で発電する必要がある。充電にはアクションが必要で、さらにバッテリーの容量も大きいとはいえないため、正直少し面倒だ。だが、サバイバルの緊張感を増大させていることも事実で、個人的には気に入っているポイントだ。
●メリハリが効いたバトルアクション
ここからはバトルについて語っていこう。魔物は基本的にこちらに直進してきて、近接攻撃で攻撃してくる。そのため、後退しながら迎撃するのが基本となる。
対して人間は、物陰に隠れながら、銃やグレネード(どう見てもダイナマイトだけど)で攻撃してくる。こちらも対抗して、物陰に隠れながら敵の隙を伺い、銃撃戦の果てに倒すことが多くなるだろう。
このように、魔物と人類とでまったく違うバトルが楽しめるため、戦闘にメリハリがあるのは本作の長所だと思う。さらに、前述のように弾薬は豊富とはいえず、なるべく攻撃回数を減らして敵を倒したい。いかに効率よく敵を倒すか、という戦略性も楽しめるのだ。
おもしろいのは、スローイングナイフ(投げナイフ)をはじめとする一部の弾薬は、再利用が可能だということ。敵に投げて倒したら、その敵から回収すれば、弾薬の節約になるというワケだ。
なお、本作ではステルス要素も楽しめる。たとえば共産主義者が大量に待ち受ける基地を突破するシーンでは、まともに戦うと激しい銃撃戦となり、突破するのが非常に難しい。だが暗闇に隠れて行動し、必要最低限の敵だけを倒すように心がければ、比較的楽に突破できる。自分のプレイスタイルに合わせたバトルが楽しめるのも本作の魅力といえるだろう。
●ローカライズは丁寧、サバイバル感を楽しみたい人にオススメ
ローカライズはとても丁寧に作られており、字幕も見やすく、この点でストレスを感じることはいっさいなかった。フォントは世界観にマッチしたものが使われており、また声優の演技もうまく、このあたりは長年ローカライズを行ってきたスパイクの手腕を感じさせる完成度だ。ちなみに音声は、英語とロシア語も収録している。原作の雰囲気そのままで楽しみたい、という人も安心できる仕様なのはうれしい。
最後に、筆者が気になったポイントをいくつか。もっとも違和感があったのは、人間との戦闘についてだ。筆者は難易度ノーマルでプレイしたが、人間はこちらを探知する能力が高く、サイレンサー付きの銃で撃ってもすぐに気づかれることがほとんど。加えて敵の狙いは正確で、遠くからでもバシバシ当ててくる。
これだけならば「ちょっと戦闘は難しいね」で終わるのだが、敵の横から近づいて、近くにあるドラム缶を倒してもまったく気づかれなかったり、背が低い障害物を挟んで銃撃戦をしていたところ、急に相手がその障害物を乗り越えてきたりと、不審な行動もちらほら......。このギャップには少し違和感があった。
もうひとつは、武器について。昨今のシューターではどのような武器を使っていても、その武器による近接攻撃が可能なことが一般的だ。いわゆる"殴り"という攻撃方法だが、本作ではそれが一部の武器でしか行えない。そのため、背の低い魔物に接近された場合、真下を向いて撃つか、ナイフに持ち替えて戦う必要がある。このため、魔物とのバトルは、対人戦とは違う理由でストレスを感じた。
武器に関しては、欠点というよりは残念だなあ、と思う点があった。本作では、たとえばハンドガンでも、スコープ付きのものや、サイレンサー付きのものが存在する。これらはマーケットで購入するのだが、できれば手持ちの銃を改造するシステムのほうがよかったと思う。長く使う銃に愛着を感じられるし、その愛銃が少しずつパワーアップしていくのは楽しいものだ。せっかく、シューティングでは珍しい通貨とショップというシステムを導入しているのだから、もう少し練り込めばさらに完成度が上がったと思う。
さて、少し苦言を並べたが、崩壊したロシアとその地下鉄でのサバイバルを楽しめるのは、間違いなく本作ならではの魅力。ゲームシステムは一般的なシューティングに準拠したもののため、この手のジャンルのファンはすんなり入り込めるのもポイント。シーティングは対戦よりもシングルプレイが好き! という人は、ぜひともチェックしてほしい作品だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100513-00000016-famitsu-game

